遺伝子の逆襲(生きるために獲得した機能が今、逆に病気の源となる)

宗像市、葉山クリニックの撫中です。

人類は生活習慣の変化に伴う疾病を持っている。いわゆる「生活習慣病」。そのなかでも、糖尿病、脳心臓疾患は頻度、重篤度ともに人を脅かす一番の病となった。その昔、人類は「飢餓」「外傷による出血」などに対して、「血糖の維持」「止血機能」を獲得し、生命を維持してきた。ところが、「生活習慣病」を発症する環境にいるような人々(現代の一部の人々)には、その飢餓・外傷などの危機に直面する機会が激減した。にもかかわらず、その獲得した機能はまだ退化していない。むしろ今「生活習慣病」として逆襲している。急速な文明の発達は、遺伝子の変異よりも早かった。早く人体がこの変化を感知し、適切な変化を生んでくれればいいのだが、、。それまでは、「病気の治療」として今できることを実施するしかない。