最後の輝き

宗像市葉山クリニックの撫中です。灯滅せんとして光を増す(とうめつせんとしてひかりをます)という慣用句があります。意味は、物事が滅びる間際にしばらく勢いを盛り返すこと。また、人が死ぬ直前に少し容態がよくなること。『法滅尽経』にあることばで、ろうそくなどの灯火がまさに消えようとするとき、瞬時明るさを増すことから来ています。物理的には、ろうそくの芯は周りのロウが邪魔で燃えにくくなっています(実際に燃えているのは、気化したロウと酸素がふれることで燃えています)。消える直前周りのロウが溶けて流れて芯がむき出し状態になります。そのため芯が一気に燃えるので明るくなると考えられています。つまり燃える物体が異なるから、明るさ、大きさが違うのです。人が最後に頑張るのは、「終末努力」などといいますが、それまでの努力とは違う努力が最後にできるときに可能になるのでしょう。おそらく、それまでの努力が「苦痛」であったのが、先がみえることから、開放感、達成感などで「快感」に変わることで、リラックスでき、それが行為に結び付くことで、今までよりもよい成果がでるのではないでしょうか。何事もやらされてやるより、楽しんでやるほうが結果もいいということでしょう。そんなことを多く探せると人生そのものが楽しくなるのかもしれません。