ウィルスは礼儀を弁える

宗像市葉山クリニックの撫中です。昨年1月からコロナ感染症で現在にいたるまで全世界は翻弄され続けています。しかし、1年近く経過してみてこの感染症は日本において「生活」を止めるほどの危険なものであったのか?あえて批判を覚悟で考えてみます。まず、昨年、国内の死亡者数はどうなったか? 14000人減少しました。肺炎だけで見ると-16.1%減少、その他感染症以外では循環器系疾患3.8%、交通事故は7.1%も減少しました。インフルエンザも激減し、政府が注意喚起した「ダブルパンデミック」は起きませんでした。ウイルス干渉によるものの影響だと考えられます。ウイルス干渉とは、あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないというものです。メカニズムとしては、あるウイルスに感染するとそれに対する免疫応答が起こり、他のウイルスに感染しづらくなる、とされています。具体例として夏場にはRSウイルスが流行し、冬場になるとインフルエンザが流行します。ウイルス干渉が起きて同時流行とはならない1例です。ウイルス干渉の論文でも重感染(ライノ+インフルエンザ)は理論値よりかなり低くウイルス干渉を支持する結果になっています。しばらくはコロナ感染対策に集中していればよく、その他のウィルスはおとなしくしているということになります。「コロナは怖い」を患者さんは異口同音に言います。なぜ怖いの?「・・・」「むしろ死ぬ人減っていますよ。毎年1月だけで1300人、餅で窒息して死んでいますよ。餅は怖くないですか?」比較対象がちがうと言われると思います。けっしてコロナが怖くないということではありません。その対策が他の原因より突出して歪な対策になりすぎていないかということです。いよいよ経済死が本格化してきました。ウィルスで死なず、ひとの実施した対策で死ぬといったことがないことを祈ります。