死者との交信

宗像市葉山クリニックの撫中です。90歳の老婆が数年ぶりにきた墓前で、お経を唱え、終わると亡くなった夫に語り掛けていました。近況報告から、はじまり、最後は「また、来るわ、お父さん。」と声をかけ、墓前を後にしました。遠方に住まいがあり、また、高齢であるため、お墓にくる機会は限られます。この先、再来できるかどうかもわかりません。これが最後という思いで来ているにも関わらず、また来る、と夫の墓前に告げています。彼女には何か返信が聞こえているのでしょうか?傍観しているものからは理解できませんが、十分な満足、数年の空白を埋めるに足りる声かけだったようです。最後にお墓に直接、手を置き、数回、撫でます。目には涙がたまっていました。亡くなったものとは会話することは叶いませんが、思い出の中で生前の声、笑顔と逢っていたのでしょう。愛情に満ちた光景でした。これが先日の母の様子です。