宗像市、葉山クリニックの撫中です。最近、しばしば遭遇することが、「時間の記憶が事実と違う」ということです。どういうことかというと、会話中、「最近、一緒にどこどこに買い物に行った。」と友人がコメントしたとします。しかし、言われた当人には記憶がない。しかも最近、というほどの過去に、そういう事実がない、といったことはよく経験すると思います。そこから記憶をすり合わせて事実確認をします。ここで、問題なのが、最近、ちょっと前、2か月前など、時間経過を表す表現が個別にはかなり差異があるということ、人は忘れやすい(エビングハウスの忘却曲線)ということ、人間には時間を感じる器官がなく、同じ時間を長く感じたり、短く感じたりして、時間の感覚が不正確であること、などから「時間の記憶が事実と違う」ということになります。診療は電子カルテを使用していますので、患者の受診した日付は正確に記録されます。その電子カルテの前ですら、大きく事実と違う記憶が披露されることはまれではありません。自分もふくめて大体過去のあまり重要でない記憶の時間感覚は半分に短縮されて表現されます。つまり1か月前に起こったと表現されるときは、事実は2か月前の出来事、1年まえは2-3年前、というように短縮されます。脳からの記憶の信号が少ないほど、時間が短縮されます。年齢と共に代謝が低下し、信号を発する機会が少なくなると、時間の経過が早く感じるのはこのためだと考えられています。大事な友人とつまらないことで口論にならないためにも、時間感覚は正確ではないということを自覚しないといけないと思う毎日です。