2019.03.07更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ジョーンズは、ニュージーランド・オールブラックスで活躍した伝説の名選手です。また、敬虔なキリスト教徒であり、日曜日は安息日なので試合には出ませんでした。1987年および1991年のワールドカップでも、オールブラックスに選抜されていながら、日曜に行われた3試合には欠場しています。当時、私は、国を代表する選手がテストマッチをからだの故障ではないほかの理由で欠場することに釈然としない部分を感じたものでした。しかし、信条、家族などを最優先に考える他国ではごく当たり前のことであるということも事実として知っていました。特に日本人は、個人の信条・家族などを犠牲にして「和」を大切にした行動を美徳としてきた歴史があり、仕事などの都合で「親の死に目に会えない」ことを容認あるいは称賛さえする民族でもありました(もちろん別の意見もありますが)。しかし、昨今は、まず個人、家族を優先し、その次が社会生活という風潮になってきています。ただし、労働環境において、まだまだそれが許される環境にないことも事実で、その後の処遇が不利になることを懸念し、仕事を優先するということがまだまだあります。なかなか難しい問題で、医療の「場」では「仕事」が生命にかかわることなので、家族と仕事の比率がかなり接近したものになります。上述のジョーンズ氏もいくつかの大会において日曜日が大切な試合であると予めわかっているときなどは、代表をはずされていました。これは仕方ないとしても、医療の場での個人の「都合」と「仕事」のどちらかを選択しないといけない場面において、その選択・決定に確かな答えは見いだせないものです。

投稿者: 葉山クリニック

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