くせ(癖)と性差

宗像市葉山クリニックの撫中です。昨年あたりから、気になっていることがあります。聴診するとき、背中から聴こうとすると、男性は上着を下から捲りあげ、女性は肩から降ろすという行動になります。このくせ、つまり無意識下での行動に男女差が見られるということです。数々の研究者たちが意見を述べていますが、男は「遠くをみる脳」女は「近くをみる脳」だそうです。脳電気生理学で電気的にも男的には前頭から後頭への縦の電流、女的には左右の横の電流という電子回路基板に差があるそうです。男的脳は「狩り仕様」女的脳は「子育て仕様」になっており、危険が迫った時、外に注意を払い、他方はみじかな家族の安否を確認するという役割分担になるようです。。特に咄嗟のときに(無意識時)に出るようです。風呂に入るとき、男は風呂しか目に入らず、自分の脱ぎ散らかした服には気づきません。女は近くにある服にイラっとする。なるほど、と納得しました。しかし、例外も多くあり、「近く」「遠く」を上手に使用できる人もいて、男女問わず、優秀、できる人と言われることが多いです。ただし、男女差は、成長過程で社会から「ステレオタイプ」の概念に支配され、努力をしなくなることでできてしまうという一面を持っています。「男のくせに」「女のくせに」と言う表現が「ステレオタイプ」を形成する身近なものです。同時に「遠く」「近く」をみることはできませんが、男女ともに「近く」をみたら「遠く」もみる、「遠く」をみたら「近く」をみる、そうすれば、相手の気持ちを理解するのに役立つことでしょう。私もできていないので、努力します。