宗像市葉山クリニックの撫中です。ともに80歳代のご夫婦が受診されました。妻が数年前に脳卒中で生死を彷徨い、手術、リハビリの結果、数か月前に自宅に帰ってくることができました。その期間、夫がコロナ感染でお見舞いもままならない中、受診の度に妻の安否を気にかける姿を見てきました。「明日、帰ってくる。」と言ったときの、夫の笑顔を忘れることができません。妻は幸い、大きな後遺症もありませんでした。しかし、長期間の病気療養で全く元通りというわけにはいかず、先日、脱水で救急搬送されたことを報告してくれました。傍らで、夫が「無理して歩いて行ったんです。タクシーで行こうといったんですが、、。」と自身を責めるように反省していました。妻は、逆に夫に心配かけないように元気な姿を見せようとしたのですが、思ったほどの体力がなかった、ということでしょう。しかし、迷惑かけないようにしよう、という気持ちからか、夫のいうことを素直に聞かないようでした。私は夫に加勢して行動を自重するように促しました。一連のやり取りが終わり、ご夫婦が診察室を出た後、お互いを思う愛情の深さに、不覚にも涙しました。同時に、この瞬間、この光景に、幸せを感じました。