2018.06.29更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。先日、胸部レントゲンを患者に説明していた時に、患者のご婦人から「心臓に毛がはえていませんか?」と問われました。もちろん冗談です。「心臓に毛が生える」とは、厚顔無恥、厚かましいなどの意味で使用されます。でも厚かましいことを表現するのに、「心臓」でしかもなぜ「毛をはやすのか」。毛をはやすのは、なにか一つプラスすることで、増強する意味です。心臓は生命の源を象徴をした部位として選ばれたと言われています。

胴や胸を防護する武具の鎧にしても鉄や練り皮で作った小板を横に重ねて編んだ縅おどし毛で相手を威嚇していたようで、ここでも毛深いことを勇猛であることにつなげています。このように、心臓に毛が生えたとか心臓に毛を生やすといった表現も、毛深い豪族や鎧の毛の示す勇猛果敢さにあやかって生まれ、現代になって物事に動じない心や厚かましい態度といった意味になったものと思われます。先のご婦人は決して「厚かましい」方ではありませんでした。もちろん、心臓に毛が生えてはいません。しかし、「厚かましい」方に同じ質問を受けて時、レントゲン上、心臓に毛が生えている、と読影し、伝えてしまう自分が浮かび、「心臓に毛が生えている」のは自分やな、と気づきました。「口にチャック」です。

投稿者: 葉山クリニック

2018.06.23更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。6/21は夏至でした。日長時間が最も長い日です。個人的には夏が好ましい季節というおもいが年々増しています。しかし、実際には夏至を迎えるとなんだか夏がおわった感覚になってしまうのです。つまりその日を境にその後、日長時間が徐々に短くなることを思って、好きな夏がおわると短絡してのことだと思います。実際には一般的にこれから2-3か月暑い日々が続くのですが、、、。「うつ」?冬うつというのはよく聞きます。医学的にも日長時間を夏並みに逆転させて治療した論文もあり、日長時間は「うつ」に関連しているようです。夏至の時期、確かに「日長時間」は長いのですが、梅雨と重なり、日照時間は必ずしも長くなく、曇り空は何となく、寒くはないですが、「冬空」なのでしょうか?この時期「半夏」という薬草が育つと聞きます。半夏は「精神安定」作用があり、漢方の主力成分のひとつです。一般的ではない「夏が終わると、寂しい」感覚を半夏餅でも食べて癒したいと思います。

投稿者: 葉山クリニック

2018.06.12更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。患者のことを英語でpatient、「patient」は、形容詞であり、「我慢強い、辛抱強い、忍耐強い」という意味です。つまり、英語のpatientは、「我慢する人間」に由来します。患者が我慢するものの代表は「痛み」です。『 pain』・西洋の「痛み」を表す言葉は、語源的に「罪に対する罰」の意味を有しています。「penalty (刑罰)」「punishment (処罰)」という言葉も、これから派生してきた言葉です。西洋人は、古くから体の痛みを人間の罪に対する神の罰として捉えました。 しかし、病気になることは「罪・罰」ではないことは明白です。従って、「我慢する人」でいることはないのです。最近では、医療において患者の権利を中心に「我慢するのではなく、主張・要求することが当たり前になってきました。「患者の人権」を最大限尊重しているアメリカの病院では、患者はもはや「patient」ではなく「client」と呼ばれつつあり、日本でも「患者の権利」を尊重しようと姿勢がうかがえるようになってきました。日本語の「患者」(患うひと)には「我慢するという意味は含まれていないようですが、「痛み」「医者の説明」など我慢することはほとんど欧米と変わりがありません。医師・医療は可能な限りすべての人の「痛み」を我慢させず、すぐに取り除くべきであり、ましてや自身が「我慢」させる対象になっていないか、自戒しなければならないと考えます。

 


 

投稿者: 葉山クリニック

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