2026.02.26更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ともに80歳代のご夫婦が受診されました。妻が数年前に脳卒中で生死を彷徨い、手術、リハビリの結果、数か月前に自宅に帰ってくることができました。その期間、夫がコロナ感染でお見舞いもままならない中、受診の度に妻の安否を気にかける姿を見てきました。「明日、帰ってくる。」と言ったときの、夫の笑顔を忘れることができません。妻は幸い、大きな後遺症もありませんでした。しかし、長期間の病気療養で全く元通りというわけにはいかず、先日、脱水で救急搬送されたことを報告してくれました。傍らで、夫が「無理して歩いて行ったんです。タクシーで行こうといったんですが、、。」と自身を責めるように反省していました。妻は、逆に夫に心配かけないように元気な姿を見せようとしたのですが、思ったほどの体力がなかった、ということでしょう。しかし、迷惑かけないようにしよう、という気持ちからか、夫のいうことを素直に聞かないようでした。私は夫に加勢して行動を自重するように促しました。一連のやり取りが終わり、ご夫婦が診察室を出た後、お互いを思う愛情の深さに、不覚にも涙しました。同時に、この瞬間、この光景に、幸せを感じました。

投稿者: 葉山クリニック

2026.02.14更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。現代において、ヒトは生きにくくなりました。単純に、「食べて寝る」を実現するために、食べ物と探し、採取あるいは自分でつくり育てる、そして摂取することから、間接的に何かの対価を払って取得する(お金など)に変遷し、一次産業の人口は少なくなって、二次、三次産業での働きが多くなりました。どの産業にも知識が必要で、肉体労働と言えど、そこにはコツという理論があります。どの分野にも知的機能(記憶、推論、判断、言語理解、問題解決など)が必要ですが、時に精神の混乱がこれらを妨害することがあります。かなり高度な知的機能の持ち主でもそれは抑制することは容易ではありません。ゲーム理論のナッシュ均衡で知られたノーベル経済学者のジョンナッシュ先生も長年、この精神異常に悩まされました。入院も余儀なくされた中で、彼は研究を成し遂げました。知性と精神が明確に違うものであることを体現して見せました。私など凡人は精神的な状態が知的機能に大いに影響を与え、判断が鈍り、間違うことが多くなります。だから、重い判断をするときは精神の安定があるときに実施した方が間違いを最低限におさえられると考えます。ただ、この精神の安定が実は最も難しい条件となることは自明の事実です。まだまだ、経験、訓練が必要です。

投稿者: 葉山クリニック

2026.01.10更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ヒトは、見たものの「好き嫌い」を瞬時(0.5秒から数秒)に判断をします。その後、対象に対する種々の情報からその「好き嫌い」を持続・発展が可能か、それ以上の関係を持続させないか、ゆっくり判断することになります。対象は、人間、物質、事象になります。対象を人間に特化すると、いわゆる「一目ぼれ」がこれに該当します。一目惚れとは、初めて会った瞬間に相手に強い恋愛感情を抱く現象です。これは理性よりも本能が先に反応し、わずか数秒から数分という短い時間で心を奪われる特別な感情です。情動の中枢である扁桃体にはすべての感覚情報が収束し、その反応は理性(大脳皮質)の反応よりはるかに速い速度で判断します。と同時に、いろいろな脳の部分に神経伝達物質を介して出力し、動悸、赤面などの肉体的変化も現れます。おそらく種の保存のために、情動(本能)は存在し、その反応は、脳内報酬物質(ドーパミン)の分泌として、依存的になります。その後の客観的な情報が入ってきてもこの依存性は強く、ネガティブな情報を正当に評価できない状況になります。いわゆる「恋は盲目」というわけです。恋愛における成功はなかなか確率の低いことがわかります。ちなみに一夫一婦制の哺乳類は3~5%だそうです。もちろん人間はこの中には入らない種だと考えますが、いかがでしょうか。

投稿者: 葉山クリニック

2025.12.22更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。クリスマスはイエス・キリストの降誕祭であること、その由来は諸説ありますが、2世紀~4世紀頃のローマ帝国領内で、土着信仰の祭祀をキリスト教の降誕祭に吸収し定着させたものではないか、ということです。イエスが誕生した月日は不明ですが、4世紀初頭の教会では12月25日と定めていました。これは春分の日でもある3月25日の受胎告知からちょうど9ヶ月後です。世界各国でおおよそ採用されている、グレゴリオ暦の12月25日に祝います。クリスマスカラーの「赤」はキリストに関わる色であり、「太陽の炎」や「寛大な愛」を象徴し、「緑」は「生命力」や「永遠の命」を、「白」は「純潔」や「潔白」を意味します。毎年、クリスマスにケーキを食べる、少し豪華な食事をする、大切な人と過ごす、など宗教的な意味は知らずとも、なんとなく愛を感じる日です。その日だけでも慈悲深い日になる、そんな特別な日になっていること自体、偉大な日ではないでしょうか。

投稿者: 葉山クリニック

2025.12.11更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。かつて京都に「伝説」の予備校があった。京大・国公立医学部に毎年300人以上の合格者を出し 京都大学医学部・京都府立医科大学の合格者の3割以上を占めていた時期もあり、京大受験・難関校に強い予備校として知られていた。昭和40年代から60年頃までが、合格実績のピークであった。当時は、理科3クラス、医科1クラス、文科1クラスで合計1300名の定員であった。しかし、三大予備校が全国展開するようになり、京都ローカルの予備校として劣勢となり、少しずつ合格実績は悪化していった。(Wikipediaより抜粋)

1982年 (昭和57年度) 在籍定員1300名中 合格実績 (在籍者のみ、講習のみ受講は含めず)
京大合格者 265名(医 36名、薬8名、理24名、農30名、工112名、法23名、経18名、文11名、教3名)
医学部合格者 347名

小生も1979-1980年の1年間在籍していた。合格実績は上記と同様と記憶している。先日、同予備校の同窓会があった。同じアパートで、同予備校に在籍した仲間たちである。まず、予備校卒業してから、31年目に第1回を実施、立て続けに3回までは開催したが、コロナのパンデミックで今回8年ぶりの開催となった。13人がアパートに在籍、今回は9人出席、3人は都合がつかず、欠席であった、。あと一人の方の消息が依然不明である。たった1年間のつながりで、しかも浪人生であり、そこまで会話もしていなかったのに、未だに集まってその当時の記憶をたどる会がひらけることは非日常であり、とても幸福感に満ちた時間である。仲間たちも異口同音に「この会が一番楽しい。同窓会の中でも最優先だ。」という。全員が今あるのはこの浪人時代が決めたと思っている。結果が出てよかった、と今でも痛感する。表題の「伝説」というのは、帰路の新幹線のなかで検索してはじめて知ったことであるが、渦中にいたときは意識したことはなかった。今思えば、狂気に満ちた成績だ。思い出話は尽きず、5年後に次回開催を約束し、解散した。と同時にグループラインでまだ過去のいろいろな出来事の答え合わせが進行している。何とも愛おしい会である。

投稿者: 葉山クリニック

2025.11.21更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。90歳の老婆が数年ぶりにきた墓前で、お経を唱え、終わると亡くなった夫に語り掛けていました。近況報告から、はじまり、最後は「また、来るわ、お父さん。」と声をかけ、墓前を後にしました。遠方に住まいがあり、また、高齢であるため、お墓にくる機会は限られます。この先、再来できるかどうかもわかりません。これが最後という思いで来ているにも関わらず、また来る、と夫の墓前に告げています。彼女には何か返信が聞こえているのでしょうか?傍観しているものからは理解できませんが、十分な満足、数年の空白を埋めるに足りる声かけだったようです。最後にお墓に直接、手を置き、数回、撫でます。目には涙がたまっていました。亡くなったものとは会話することは叶いませんが、思い出の中で生前の声、笑顔と逢っていたのでしょう。愛情に満ちた光景でした。これが先日の母の様子です。

投稿者: 葉山クリニック

2025.10.08更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。日常生活でふとした瞬間に、交通事故や天災などに巻き込まれてしまうのではないかと感じたり、健康であるにもかかわらず、理由もなく自分はがんなのではないか、家族が病気になってしまうのではないか、などと不安や心配を感じていることが誰にも一度はあると思います。そう思ってしまうのは仕方なく、短時間であって、すぐこのことへの固執をやめれば、ほぼ健康だと考えられます。しかし、あたかも「心配事をいつも探しまわり、それを見つけ出す」かのように常に不安を抱え、それに支配された行動(ドクターズショッピングなど)をとられる方がいます。これを不安神経症と言い、何の根拠もないにもかかわらず、漠然とした不安を慢性的に感じる病気です。ただし、なんの根拠もないことにはやや語弊があり、過去の既往などがきっかけになっていることが多いようです。落ち着きがなくなる、イライラしやすくなる、眠れなくなるといった精神症状を呈することは元より、さらに、身体面にも障害(特に緊張と関連する症状)が生じます。これらには神経伝達物質が大きく関与しており、不安時には、ノルアドレナリン、アセチルコリンなど過緊張で分泌される物質が増え、前述の精神、身体症状を惹起します。逆に、リラックスすると、セロトニン、GABAが分泌され、ノルアドレナリンの作用を緩和します。不安が先か神経伝達物質の分泌が先かという問題はありますが、すくなくとも根拠のない不安、また、起こってもいない将来の事象(特に自分で制御困難な事象)について考慮し続けることは負の作用は大きいですが、問題の解決にならないことが多いです。悪循環を止め,回避するには、客観的に自分を俯瞰(ふかん)できることが重要だと考えます。

投稿者: 葉山クリニック

2025.09.03更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。時間は切れ目なく、連続して流れていきます。今はすぐさま過去になり、未来はすぐさま今になります。決して過去を生きることも未来を生きることもできません。過去は結果として記憶、記録に様々な形で残っていきます。しかし、未来は決して確約されたものではありません。突然のアクシデントで消滅するものです。ヒトは「今」、過去を悔いたり、未来を不安がったりします。今生きていながら、心は「今」にない、という時間の使い方をします。過去は変更できませんが、その経験を今から未来に役立てる糧にはできます。未来はその経験でより良いものでできるかもしれません。ただ、「今」を生きてない人は起こってもない未来に不安を抱き、今を台無しにします。ひとは今しか生きれないことを「今」認識できれば、もっと「今」を大切にでき、今を不安で埋めることの虚しさを自覚できるはずです。決して未来は必ずくるものではありません。会いたい人に会いましょう、話したいことを話しましょう、今を大切にすることです。

投稿者: 葉山クリニック

2025.08.22更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ヒトは生きていく中で、日頃どれほどの悲しみを想定しているだろうか?最愛の人たちとの別れ、財産を失う、仕事が立ち行かなくなる、受験の失敗、就職の失敗、失恋など悲しみの要因もたくさんありますが、それらが急に来るか徐々にくるかによっても悲しみの大きさは変わります。やはり、急に人とのわかれが生じたとき、また、それが不可逆であるとき、ヒトは茫然とし、思考が止まります。悲しみすら感じないくらい、なにをしたらいいのかわからなくなります。大きなストレスです。だからこそ、今の瞬間を精一杯生きることが大切になります。少しのことで怒ったりしてはあとで後悔します。常に今、言った事が最後の言葉になると意識して過ごす。感謝は常に伝えること、愛情表現も同じです。そして一緒に生きていられること、これがなにより素晴らしいことであることを意識することが想定外の悲しみを緩和することの手助けになりはしないでしょうか?

 

 

投稿者: 葉山クリニック

2025.08.02更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。「哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つ」と言われ、小さな動物の心拍数は多く、ハツカネズミは1分間に600~700回も脈を打ちます。 逆に大きい動物だと心拍数は少なく、ゾウは約20回です。 ハツカネズミは1.5~2年と寿命が短く、ゾウは50~70年と長寿です。 また、くじらは種類別の平均寿命が
ホッキョククジラ:100~200年
セミクジラ:50~100年
シロナガスクジラ:80~90年、110年を超えるものも
マッコウクジラ:60~80年
シャチ:50~80年
ゴンドウクジラ:オス約45年、メス約60年
ザトウクジラ:45~50年
バンドウイルカ:40~60年

と言われています。ホッキョククジラの200年も実際の観察記録で、北極は低温なので、心拍数が極端に少ないからだと言われています。つまり、心拍数と寿命をグラフ化すると、他の哺乳類はほぼ逆相関の直線上にあります。この計算だと、人間は55歳前後の寿命のはずですが、大きく逸脱し、相関しません。これは、生活環境の整備、医療の発達により、約30~40年余命が伸びたということです。それだけ寿命を延ばし、人間にはやらなければならないこと、生きてやりたいことがあるのでしょう。その意味を考える毎日です。

投稿者: 葉山クリニック

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