2025.12.11更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。かつて京都に「伝説」の予備校があった。京大・国公立医学部に毎年300人以上の合格者を出し 京都大学医学部・京都府立医科大学の合格者の3割以上を占めていた時期もあり、京大受験・難関校に強い予備校として知られていた。昭和40年代から60年頃までが、合格実績のピークであった。当時は、理科3クラス、医科1クラス、文科1クラスで合計1300名の定員であった。しかし、三大予備校が全国展開するようになり、京都ローカルの予備校として劣勢となり、少しずつ合格実績は悪化していった。(Wikipediaより抜粋)

1982年 (昭和57年度) 在籍定員1300名中 合格実績 (在籍者のみ、講習のみ受講は含めず)
京大合格者 265名(医 36名、薬8名、理24名、農30名、工112名、法23名、経18名、文11名、教3名)
医学部合格者 347名

小生も1979-1980年の1年間在籍していた。合格実績は上記と同様と記憶している。先日、同予備校の同窓会があった。同じアパートで、同予備校に在籍した仲間たちである。まず、予備校卒業してから、31年目に第1回を実施、立て続けに3回までは開催したが、コロナのパンデミックで今回8年ぶりの開催となった。13人がアパートに在籍、今回は9人出席、3人は都合がつかず、欠席であった、。あと一人の方の消息が依然不明である。たった1年間のつながりで、しかも浪人生であり、そこまで会話もしていなかったのに、未だに集まってその当時の記憶をたどる会がひらけることは非日常であり、とても幸福感に満ちた時間である。仲間たちも異口同音に「この会が一番楽しい。同窓会の中でも最優先だ。」という。全員が今あるのはこの浪人時代が決めたと思っている。結果が出てよかった、と今でも痛感する。表題の「伝説」というのは、帰路の新幹線のなかで検索してはじめて知ったことであるが、渦中にいたときは意識したことはなかった。今思えば、狂気に満ちた成績だ。思い出話は尽きず、5年後に次回開催を約束し、解散した。と同時にグループラインでまだ過去のいろいろな出来事の答え合わせが進行している。何とも愛おしい会である。

投稿者: 葉山クリニック

2025.11.21更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。90歳の老婆が数年ぶりにきた墓前で、お経を唱え、終わると亡くなった夫に語り掛けていました。近況報告から、はじまり、最後は「また、来るわ、お父さん。」と声をかけ、墓前を後にしました。遠方に住まいがあり、また、高齢であるため、お墓にくる機会は限られます。この先、再来できるかどうかもわかりません。これが最後という思いで来ているにも関わらず、また来る、と夫の墓前に告げています。彼女には何か返信が聞こえているのでしょうか?傍観しているものからは理解できませんが、十分な満足、数年の空白を埋めるに足りる声かけだったようです。最後にお墓に直接、手を置き、数回、撫でます。目には涙がたまっていました。亡くなったものとは会話することは叶いませんが、思い出の中で生前の声、笑顔と逢っていたのでしょう。愛情に満ちた光景でした。これが先日の母の様子です。

投稿者: 葉山クリニック

2025.10.08更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。日常生活でふとした瞬間に、交通事故や天災などに巻き込まれてしまうのではないかと感じたり、健康であるにもかかわらず、理由もなく自分はがんなのではないか、家族が病気になってしまうのではないか、などと不安や心配を感じていることが誰にも一度はあると思います。そう思ってしまうのは仕方なく、短時間であって、すぐこのことへの固執をやめれば、ほぼ健康だと考えられます。しかし、あたかも「心配事をいつも探しまわり、それを見つけ出す」かのように常に不安を抱え、それに支配された行動(ドクターズショッピングなど)をとられる方がいます。これを不安神経症と言い、何の根拠もないにもかかわらず、漠然とした不安を慢性的に感じる病気です。ただし、なんの根拠もないことにはやや語弊があり、過去の既往などがきっかけになっていることが多いようです。落ち着きがなくなる、イライラしやすくなる、眠れなくなるといった精神症状を呈することは元より、さらに、身体面にも障害(特に緊張と関連する症状)が生じます。これらには神経伝達物質が大きく関与しており、不安時には、ノルアドレナリン、アセチルコリンなど過緊張で分泌される物質が増え、前述の精神、身体症状を惹起します。逆に、リラックスすると、セロトニン、GABAが分泌され、ノルアドレナリンの作用を緩和します。不安が先か神経伝達物質の分泌が先かという問題はありますが、すくなくとも根拠のない不安、また、起こってもいない将来の事象(特に自分で制御困難な事象)について考慮し続けることは負の作用は大きいですが、問題の解決にならないことが多いです。悪循環を止め,回避するには、客観的に自分を俯瞰(ふかん)できることが重要だと考えます。

投稿者: 葉山クリニック

2025.09.03更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。時間は切れ目なく、連続して流れていきます。今はすぐさま過去になり、未来はすぐさま今になります。決して過去を生きることも未来を生きることもできません。過去は結果として記憶、記録に様々な形で残っていきます。しかし、未来は決して確約されたものではありません。突然のアクシデントで消滅するものです。ヒトは「今」、過去を悔いたり、未来を不安がったりします。今生きていながら、心は「今」にない、という時間の使い方をします。過去は変更できませんが、その経験を今から未来に役立てる糧にはできます。未来はその経験でより良いものでできるかもしれません。ただ、「今」を生きてない人は起こってもない未来に不安を抱き、今を台無しにします。ひとは今しか生きれないことを「今」認識できれば、もっと「今」を大切にでき、今を不安で埋めることの虚しさを自覚できるはずです。決して未来は必ずくるものではありません。会いたい人に会いましょう、話したいことを話しましょう、今を大切にすることです。

投稿者: 葉山クリニック

2025.08.22更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ヒトは生きていく中で、日頃どれほどの悲しみを想定しているだろうか?最愛の人たちとの別れ、財産を失う、仕事が立ち行かなくなる、受験の失敗、就職の失敗、失恋など悲しみの要因もたくさんありますが、それらが急に来るか徐々にくるかによっても悲しみの大きさは変わります。やはり、急に人とのわかれが生じたとき、また、それが不可逆であるとき、ヒトは茫然とし、思考が止まります。悲しみすら感じないくらい、なにをしたらいいのかわからなくなります。大きなストレスです。だからこそ、今の瞬間を精一杯生きることが大切になります。少しのことで怒ったりしてはあとで後悔します。常に今、言った事が最後の言葉になると意識して過ごす。感謝は常に伝えること、愛情表現も同じです。そして一緒に生きていられること、これがなにより素晴らしいことであることを意識することが想定外の悲しみを緩和することの手助けになりはしないでしょうか?

 

 

投稿者: 葉山クリニック

2025.08.02更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。「哺乳類ではどの動物でも、一生の間に心臓は20億回打つ」と言われ、小さな動物の心拍数は多く、ハツカネズミは1分間に600~700回も脈を打ちます。 逆に大きい動物だと心拍数は少なく、ゾウは約20回です。 ハツカネズミは1.5~2年と寿命が短く、ゾウは50~70年と長寿です。 また、くじらは種類別の平均寿命が
ホッキョククジラ:100~200年
セミクジラ:50~100年
シロナガスクジラ:80~90年、110年を超えるものも
マッコウクジラ:60~80年
シャチ:50~80年
ゴンドウクジラ:オス約45年、メス約60年
ザトウクジラ:45~50年
バンドウイルカ:40~60年

と言われています。ホッキョククジラの200年も実際の観察記録で、北極は低温なので、心拍数が極端に少ないからだと言われています。つまり、心拍数と寿命をグラフ化すると、他の哺乳類はほぼ逆相関の直線上にあります。この計算だと、人間は55歳前後の寿命のはずですが、大きく逸脱し、相関しません。これは、生活環境の整備、医療の発達により、約30~40年余命が伸びたということです。それだけ寿命を延ばし、人間にはやらなければならないこと、生きてやりたいことがあるのでしょう。その意味を考える毎日です。

投稿者: 葉山クリニック

2025.07.01更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。最近、帯状疱疹の予防接種を実施する機会が多くあります。予防接種の効力の年数について説明するとき、患者と間で、「そんなに生きなくていい」というコメントが頻回に発せられます。高齢者ほどその発言は多く見られます。そこで、一般に人間の寿命は何歳かを調べてみました。東大の小林武彦先生によると、生物学的な寿命は55歳くらいだとのことです。根拠は、いろいろありますが、ほぼDNAが一致するチンパンジーなどが55歳であること、ゲノムが壊れるとがんが発生するのですが、55歳までは修復ができます。それ以降は壊れることが多くなること、などが挙げられます。しかし、日本人の平均寿命は男女ともに80歳-90歳くらいと上記の遺伝的寿命をはるかに超過しています。55歳以降の人生は、公衆衛生や栄養状態の劇的改善、医学の発展という「文明がもたらした生」と言えます。つまり、他の動物にない「老い」というものが人間にはあります(ペットの犬なども腫瘍でなくなることはあります。おそらく理由は人間と同様に寿命以上に生きているからではないでしょうか)。「いつ死ぬか」の問の答えは正確にはありませんが、55歳から90歳くらいの間、寿命超過した期間になると思います。「そんなに生きなくていい」に帰りますが、「老い」たことが無意味なことなのか?そんなに生きなくていい、というのは、高齢者が持つ心理の特性に起因するようです。他人に支えられ(感謝)、自分中心から他人を大切にする(利他性)、肯定的な自己評価(肯定感)をする。そのことで、死に対する恐怖すらも消失するようです。生殖機能を失ったものが社会に貢献できないことは全くなく、十分に育児に携わることができます。決して「老害」などではなく、「老益」なのだと思います。ひとの社会にだけもたらされた寿命超過、意味はあるのではないでしょうか。

 

投稿者: 葉山クリニック

2025.06.24更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。ヒトのやる気について考えてみました。やる気が起きない、とつぶやく人には何かやりたいことが当面ないことが多いと感じます。ヒトはやりたいこと、希望することがあると「ワクワク」します。この時、脳内には「ドーパミン」という神経伝達物質が発生します。ドーパミンには報酬物質として、ヒトに多幸感を与えます。幸せを感じている時、ドーパミンが分泌されているのです。その時、まだ、やりたいことは達成していなくても構いません。「やる気」になったときにドーパミンが出て、幸せを感じるようです。つまり「目標」をもったときに出るようです。そして、結果が想定したもの未満であった時、ドーパミンは出ず、落胆します。結果が想定以上の時、さらにドーパミンがでて幸せになります。そう考えると、やる気がおきる「目標」、しかも短期に結果が出せることが必要になります。幸せに過ごすには、自分にあった達成可能な目標の設定を繰り返すことが重要ではないでしょうか?

投稿者: 葉山クリニック

2025.06.09更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。今年もツバメが飛来し、産卵、子育て、巣立ちをしました。巣立ち後、4-5日で新たな巣作りが始まりました。というのも、先の巣は巣立ちとほぼ同時に地面に落下してしまったからです。ツバメは年に1-2回産卵、子育てすると言われています。今回も同じ番(ツガイ)なのでしょうか?1回に5匹くらいまで子育てしますが、必ずしも、父親が同じとは限らないとのこと。雌は他の雄とも交尾し、産卵するため、同じ巣には父親の違う雛がいることもあるようです。自然界の種の保存は厳しく、愛だの恋だの言ってる人間とは大きく、繁殖の意味合いが違います。人口の減少、少子化、超高齢社会を考えると、そのうち、人間も繁殖本位の時期が来るのでしょうか?

投稿者: 葉山クリニック

2025.05.16更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。表題のテーマはご存じでしょう。赤ちゃんが母体内にいるときの話を2-4歳くらいにしゃべる、というものです。研究者によれば、胎内記憶に止まらず、受胎時前後の話も語られています。例えば、「私(赤ちゃん)はお父さんとお母さんを空から見てて、選んできた。」というようなことも数多く、胎内記憶として語られています。ここで、記憶とは何か、簡単には、体験したことを覚えていること、と言えるでしょう。となると、受胎時前後には体験する個体(肉体)、記憶を担う脳がまだありません。つまり、記憶というより、肉体とは別の「意識」というものが存在し、それが、肉体にやがて降臨する、という仕組みが必要になります。この「意識」については、2024.10.15「reincarnaton(生まれ変わり)」で考察しており、今回は、狭義の胎内記憶について考えてみます。筆者は過去に新生児(主に低体重で出生)の脳血流の定性を経験し、論文化しました。新生児は、体重増加に伴い、脳血流の分布を、視床・大脳基底核部優位から大脳皮質優位へと移行していきます。概して体重4000gくらいを境に移行します。そのことを踏まえると、胎内では、視床・大脳基底核部優位であると言えます。一般に新しい記憶は海馬にファイルされ、その後大脳皮質に蓄積されていきます。胎児の胎内での体験は、海馬にファイルされ、記憶されることになります。その後、その記憶が大脳皮質に移行し、言語化できる2-4歳で想起され、語られる、ということになります。胎児が情報を入力する最大の感覚器は聴覚です。すでに妊娠5か月くらいには外部の音は聞こえているようです。つまり、妊娠中、赤ちゃんに語り掛けたり、その場の環境音を聞かせたりすることは胎児の体験として成立するのでしょう。また、母体の感情の起伏も、神経伝達物質のパターンに応じ、間脳に刷り込まれる可能性は大いにあると考えます。人間形成は受胎したときから、すでに始まり、一番近くにいる母親、父親の環境としての影響は当然ですが、大きなものとなります。胎教、大事ですね。

投稿者: 葉山クリニック

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