つばめの抱卵と事故
2018.05.30更新
宗像市葉山クリニックの撫中です。毎年この時期、クリニックの軒下につばめが巣を作ります。しかし、雛の誕生はまだ目にしたことがありません。昨年は「抱卵放棄」で最終的に巣には5個産卵していたのを秋に巣の中で確認しました。冬に巣が破壊され(たぶんすずめの仕業)、床に割れた卵を認めました。基本的に「抱卵」を親鳥が放棄することはないのだそうです。抱卵は孵化する時期をそろえるために必ずしもずっと抱き続けるものでもないそうです。昨年は親鳥が忽然と姿を見せなくなってしまったので、親鳥に危険が迫ったのが「抱卵放棄」の理由と考えられます。つばめの生存期間は平均1.5年だそうです。生物学的な寿命は15年。つまり、不慮の事故での死亡がいかに多いかということです。孵化率も10%超、成鳥になる確率も15%くらいだそうです。日本社会では不慮の事故での死亡が減少しています。しかし、最近、報道される事件の中には子供の「命」が奪われる内容のものを少なくありません。事件が増えたのか、報道されることが多くなったのかはわかりませんが、混沌とした世の中になってきたようにも感じます。今年、つばめの孵化は見られるか。事故、事件の「報道」の度、逆につばめを見るたび、不慮の事故のことを考えてしまいます。
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