死後の世界
2020.10.13更新
宗像市葉山クリニックの撫中です。死後の世界というと、亡くなった方の魂とか意識がどうなるか、など色々な説があります。もうひとつの死後の世界は現世に生きる者(残された者)の世界です。親しかった人、馴染みのある人の死をどう受け止めるのか。例えば、近い家族、毎日、会っている家族であれば、その肉体的存在が消失することを実感できます。しかし、何年も会っていない友人とか、一度も会ったことのない芸能人とかの死は肉体的存在に触れることはそれまでもほとんどないか皆無です。亡くなったという報告前後で変化するものは亡くなったという事実を知ることだけのような気がします。数年前に亡くなっていても報告がなければ、死を知るまでの数年間は「死んでない」わけで、意識の中では、「生きている」ことになります。元々、生きていることが頭の中だけの話なので、実際に会えない場面が生じれば、「死」(いないということ)を実感するのでしょう。しかし、それでも、頭の中には思い出があり、存在した記憶が残っています。生きている者の死の受け止めというのは、会えないとわかったときの悲しみが主で、実際に会ってなかった人の死は、実感できず、死の前後でも、心の中にその存在はあり、生きているときとそれほどの差はないように思えます。人は段々老いていき、やがて、肉体的な存在は消失します。でも思い出は、残された人の中に存在し、その人の中で生きていると言えます。
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