2025.10.08更新

宗像市葉山クリニックの撫中です。日常生活でふとした瞬間に、交通事故や天災などに巻き込まれてしまうのではないかと感じたり、健康であるにもかかわらず、理由もなく自分はがんなのではないか、家族が病気になってしまうのではないか、などと不安や心配を感じていることが誰にも一度はあると思います。そう思ってしまうのは仕方なく、短時間であって、すぐこのことへの固執をやめれば、ほぼ健康だと考えられます。しかし、あたかも「心配事をいつも探しまわり、それを見つけ出す」かのように常に不安を抱え、それに支配された行動(ドクターズショッピングなど)をとられる方がいます。これを不安神経症と言い、何の根拠もないにもかかわらず、漠然とした不安を慢性的に感じる病気です。ただし、なんの根拠もないことにはやや語弊があり、過去の既往などがきっかけになっていることが多いようです。落ち着きがなくなる、イライラしやすくなる、眠れなくなるといった精神症状を呈することは元より、さらに、身体面にも障害(特に緊張と関連する症状)が生じます。これらには神経伝達物質が大きく関与しており、不安時には、ノルアドレナリン、アセチルコリンなど過緊張で分泌される物質が増え、前述の精神、身体症状を惹起します。逆に、リラックスすると、セロトニン、GABAが分泌され、ノルアドレナリンの作用を緩和します。不安が先か神経伝達物質の分泌が先かという問題はありますが、すくなくとも根拠のない不安、また、起こってもいない将来の事象(特に自分で制御困難な事象)について考慮し続けることは負の作用は大きいですが、問題の解決にならないことが多いです。悪循環を止め,回避するには、客観的に自分を俯瞰(ふかん)できることが重要だと考えます。

投稿者: 葉山クリニック

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